子供の頃から車酔いしやすい体質だった。
車窓から景色を眺めたり、たまに窓を開けて空気を入れ替えたりしては酔いを紛らわせていた。
北海道は広い。どこへ行くにも道中が長い。

そんな状況の中、車窓から見えるおなじみの風景があった。

道路の道端のあちこちに大きな大きな緑の葉っぱに赤や黄緑の茎の植物が沢山。

子供心にいつもあの大きな葉っぱを傘にしたらどうなるのか車中で考えていた。

「重いかな？」
「雨宿り出来るかな～」

そんなことを考えることで、酔いを紛らわせていたのかもしれない。

北海道では車に乗っているとよく見かけるその大きな大きな葉っぱは皆さんおなじみの「フキ」！

フキにも色々あるが、道路脇のモノは言わずもがな要注意である。

新鮮なフキを手に入れるのは難しいし、なかなか出会えないと大人になって知ることになる。

フキは味わい深い様々なおかずになる。
十勝ではラワンブキが有名で、子供の頃はその魅力に気付かず勿体ないことをしていた。
自分が車中から見ていたものはラワンブキだったに違いない。

フキは細切りにしてゴマ油で炒め、きんぴらで食べるのが1番好きだ。最後に一味と鰹節とゴマをパラリ。
おつまみとしても最高。作り置きにも向く1品。

アニメや漫画で大きな葉っぱを傘の代わりにしているのを見ると思い出すあの風景。

葉っぱの傘で雨宿りしたい夢は叶えていないし車酔いも治っていないが、もう大人になり過ぎたので今は美味しく食べる方向に力を入れたい。

（*十勝の足寄はラワンブキが有名で大人の背丈ほどのものもあるので今でも頑張れば葉っぱの傘が出来るかもしれません）

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