酢飯をパタパタとうちわであおぐ。
祖母と酢飯を作る際、小学生の私はいつもうちわで酢飯をあおぐ係だった。
だが、これから美味しい海鮮ちらし寿司が待っているのにも関わらず、
私はすぐに嫌になりいつも7,8回ほどであおぐのをやめていた。
本当はご飯をかまかす係をしたかったからだ。
そちらはちょっとしたテクニックが必要とされるようで数回程しかやらせてもらった記憶がない。
「ご飯を切るように、切るようにね」と言われていたが、結構な酢飯量で子供には重労働だったと記憶している。
うまく「切るように」が出来なかったのだ。
渋々ながらもあおいだ風が自分の顔にまとわりつく。その香りは酸っぱく、そして少し甘い、いい香り。
人はそれを酢飯と呼ぶが、私は心の中で「甘酸っぱいご飯」と呼んでいた。
今からこれに大好きなお刺身が色々盛られるのだ。
ワクワクな酢飯作りのはずなのに、何故もっと率先してパタパタやらなかったのか、全く困った子供だ。
このことをたまに思い出しては、祖母に申し訳なかったと少し沈んだ気持ちになる。
今でも「甘酸っぱいご飯」は好きで、その影響かどうか定かではないが、私は酢がとても好きだ。
スープに納豆に皿うどんにラーメンにと酢を直がけしてしまう。
きっと空から祖母が「そんなにかけてはダメだよ」っと笑っている気がする。
海鮮ちらし寿司と祖母の思い出は若干苦みの効いた記憶として心の奥底にずっと残っている。
「甘酸っぱいご飯」のちょっと苦い記憶。
*「かまかす」は北海道弁です。
標準語だと「かき混ぜる」→例「ご飯をかまかして!」→「ご飯を混ぜて!」と使います。
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