- 食酢の農業利用
身近な調味料「食酢」。
その食酢を「田んぼや畑に撒く」ことで、暑さや大雨、カルシウム施用、除草などに優れた効果があることが、近年続々と明らかになっています!
食物には天然由来の酢酸、有機酸が豊富に含まれ、この酢酸や有機酸が植物に有効な働きをします。植物体内の窒素代謝を高める働きによる硫酸の消化や、
ジャスモン酸の分泌促進による乾燥・高温耐性、また、有機を含む農薬不使用栽培での除草など使用時の酢酸濃度を変えることで様々な効果が期待できます。
食酢は酸性のため、いろいろな物質をよく溶かします。肥料や農薬、その他の資材と混合、併用することで効果的に使用することができます。
- 食酢は「特定防除資材」に指定されています!
[食酢による防除効果]
お酢は特定防除資材に指定されています。お酢を土壌に散布することで①「pHが下がり殺菌効果がある」、更には②「作物体内の代謝を進めて病害虫にかかりにくい体質にする」という働きがあります。
- マルボシ酢の「農事食品20%ビネガー」
「農事食品20%ビネガー」はマルボシ酢独自の醸造技術により酸度を20%という極限まで高めた「醸造酢」です。食品と同じ品質・規格なので人にも植物にも安全・安心(※高濃度の酸のため取り扱いには注意が必要です)です。また、20%と高酸度のため、用途に合わせて自由に希釈倍率を変更し、ご使用いただけます。
- 使用のタイミングとその効果
[栄養成長を促進したいとき]
主成分である「酢酸」により土壌菌フローラを正常に保ちます。また、食酢に含まれる糖分やアミノ酸が微生物の餌となり有用微生物を繁殖、活発化させ食物の根張りを良くします。
[葉や野菜にチッソ(硝酸)が溜まってしまったとき]
酢酸などの有機酸が葉にたまった硝酸を消化します!
[長雨や台風で根痛み、根腐れしてしまったとき]
根の修復と根酸の合成、エネルギー合成を行います!
[高温・乾燥に耐性を持たせたいとき]
ジャスモン酸の分泌を促進し、乾燥・高温耐性遺伝子を活性化します!
[窒素過多で虫が付きやすくなったとき]
作物体内の代謝を進めて病害虫の抑制をします!
[日照不足で有機酸が不足したとき]
食酢に含まれる酢酸などの有機酸が不足を補い、植物の新陳代謝を活発にします!
[農薬を使用せずに除草したいとき]
濃度障害で雑草だけ枯らすことも可能です!
例:酸度2.5%の酢酸を田んぼに散布した場合に、稲に被害はなく、ウリカワ、コナギ、ホタルイ、オモダカを枯らすことができます。
- 使用方法(例)
[栄養成長の促進(通常使用)に]
500倍を葉面散布
注意:新葉展開時期・開花期は1500〜2500倍以上の低濃度で使用してください。
[チッソ(硫酸)過剰時に]
1000〜2000倍液
※成り疲れの時は、アミノ酸液肥料の混合が効果的です。
[湿害による根痛み、根腐れの応急処置に]
150〜300倍液
[高温・乾燥耐性付与に]
150~300倍液
※規定通りに希釈したアミノ酸液肥料を混合すると効果がアップします。
※乾燥で起こるカルシウム欠乏には、高酸度ビネガー500mlに対して卵の殻5個分を入れ、溶かした後コーヒーフィルターでろ過し、300倍に希釈してご使用いただくとカルシウム資材となります。フィルターに残った殻は吸収のよいカルシウム肥料としてご使用いただけます。
[殺菌剤として]
→40倍程度の濃度(酢酸濃度0.5%)で潅注。
[除草に]
5~7倍液
(除草維持の場合は10~20倍液)
注意:酸に弱い植物には使用濃度をご確認の上、狭い範囲からのご使用をお勧めします。
[灰色かび病防除に]
600倍液を1週間に3回程度の間隔で葉面散布
- ご使用時の注意事項
・酸性に弱い植物へのご使用はご控えください。
条件によって使用濃度が変更しますので小範囲で試用することをお勧めします。
・本品は元々食品用のため希釈して飲用・食用にお使いいただけますが、そのままでは非常に高酸度の醸造酢です。そのため、下記の場合には速やかに応急処置を行ってください。
[応急処置について]
・目に入った場合:直ちに流水で15分以上水洗いし、速やかに医師の診断を受ける。
・皮膚等に付着した場合:直ちに付着部または接触部を多量の水を用いて洗い流す。刺激が残る場合には、医師の診断を受ける。
・吸入した場合:直ちに空気の新鮮な場所に移動する。
・飲み込んだ場合:多量の水を飲む。